リードタイム¶
納期を正確に予測することは、顧客の期待に応えるために不可欠です。Odooの 在庫 アプリでは、包括的なリードタイム設定が可能で、製造オーダ、配送オーダ、入荷の調整と計画ができます。
リードタイムタイプ¶
業務によって異なるリードタイムは、オーダフルフィルメントプロセスの様々な段階に影響を与えます。Odooのリードタイムの種類の概要です:

顧客リードタイム: 顧客のオーダを処理するためのデフォルトの時間枠です。顧客リードタイムは、販売オーダ(SO)が確定してからプロダクトが倉庫から出荷されるまでの日数です。これは、配送リードタイム としても知られています。
Sales security lead time: moves the scheduled delivery date forward by a specified number of days. This serves as a buffer to allow ample time to prepare the outgoing shipment earlier, considering the possibility of delays in the fulfillment process.
Purchase lead time: number of days from the confirmation of a purchase order (PO) to the receipt of products. It provides insight on the time it takes for products to arrive at the warehouse, facilitating effective scheduling and planning of supplier deliveries.
購買安全リードタイム: :abbr:`PO(購買オーダ)`のオーダ期限を指定された日数分早めます。オーダを早めに発注するこの積極的なアプローチは、仕入や出荷の遅延のリスクを軽減します。このように、オーダに応じて補充するように設定されているプロダクトでは、指定された日数に従って、*補充レポート*に必要なものが早く表示されます。
購買までの日数: 仕入先が見積依頼書(RFQ)を受け取り、確認するまでに必要な日数。 指定した日数分、見積依頼書 RFQ のスケジュール締切日が早まります。
製造リードタイム: 確認日から製造オーダ(MO)が完了するまでに必要な日数です。このリードタイムは週末(Odooでは非稼働時間)を含み、完成品のおおよその生産日を予測するために使用されます。
製造オーダ準備所要日数: 構成品の補充、またはプロダクトのサブアセンブリの製造に必要な日数です。部品表(BoM)に直接設定するか、計算 をクリックして BoM 内の部品の購買リードタイムと製造リードタイムを合計して下さい。
製造セキュリティリードタイム: 仕掛品の予定日を指定日数分早めます。 補充オーダ と併用すると、セキュリティリードタイムにより、補充レポート上でより早期の必要性が表示されます。
販売リードタイム¶
顧客リードタイムと販売オーダリードタイムは、 :abbr:SO (販売オーダ)`の 配送予定日 を自動的に計算するように設定できます。予定納期は、倉庫からの出荷に対して現実的な 納期 設定を保証します。
Odooは設定された配送オーダが予定日より早い場合、警告メッセージを表示します。
Example
SO に `ココナッツの香りのキャンドル`が含まれており、7月11日に確定されました。このプロダクトの顧客リードタイムは14日、ビジネスは1日の販売セキュリティリードタイムを使用しています。リードタイムの入力に基づいて、Odooは15日後の7月26日を配送日として提案します。

以下のセクションでは、配送予定日を自動的に計算する方法を説明します。
顧客リードタイム¶
プロダクトページに移動して、各プロダクトフォームに顧客リードタイムを設定します。そのためには、 在庫`タブに切り替えます。次に、 :guilabel:`顧客リードタイム フィールドの下に、配送オーダの開始から終了までに必要な日数を記入します。
に進みます。そこから目的のプロダクトを選択し、Example
ココナッツの香りのキャンドル
のプロダクトフォームに移動して、14日間の顧客リードタイムを設定します。そして 在庫 タブの 顧客リードタイム フィールドに 14.00
日と入力します。

販売安全リードタイム¶
で、販売安全リードタイム を全体に設定します。
設定ページの 高度なスケジューリング の下にある 販売用安全リードタイム のボックスを探し、チェックボックスをクリックして機能を有効にします。
次に、希望する暦日数を入力します。この安全リードタイムは、予定日よりも早く出荷の準備をするようチームに通知するバッファです。
Example
販売用安全リードタイム を 1.00
日に設定すると、配送オーダ(DO)の 予定日 が1日前倒しになります。この場合、あるプロダクトの配送予定日が4月6日で、安全リードタイムが1日の場合、配送オーダの新しい予定日は4月5日となります。

複数プロダクトを配送する¶
リードタイムが異なる複数のプロダクトを含むオーダでは、見積から直接リードタイムを設定することができます。見積書の その他情報 タブをクリックし、 配送ポリシー を設定します:
なるべく早く は、プロダクトの準備ができ次第、すぐに配送します。DO の 予定日 は、オーダ内のプロダクトの中で最も短いリードタイムに今日の日付を加えて決定されます。
全プロダクトが準備できてから は、オーダ全体を一度に処理するために待機します。abbr:
DO(配送オーダ)
の 予定日 は、オーダ内のプロダクトの中で最もリードタイムの長いものに今日の日付を足して決定されます。

Example
ヨガマット
と レジスタンスバンド
、という2つのプロダクトを含む見積で、リードタイムはそれぞれ8日と5日です。今日の日付は4月2日です。
配送ポリシー が なるべく早く に設定されている場合、配送予定日は本日から5日後: 4月7日です。一方、 全プロダクトが準備できてから を選択すると、予定日は今日から8日後: 4月10日に設定されます。
購買リードタイム¶
仕入先へのオーダを自動的にスケジュールすることで、見積依頼(RFQ)の確定時期や納期をユーザに正確に知らせることで、調達業務を効率化します。
フィールド |
説明 |
---|---|
オーダ期日 |
見積依頼を確定し、購買オーダに変換できる最終カレンダー日 |
入荷予定日 |
プロダクトの到着日。オーダ期日 + 仕入先リードタイム で計算されます。 |
さらに、Odoo にはグローバルな安全リードタイムがあります。これは、ジャストインタイム (JIT) 予測ウィンドウを拡大するバッファです。セキュリティリードタイムは、プル規則 (たとえば、再オーダ規則 または 受注生産 (MTO)) を使用する補充方法にのみ影響します。これらは、オーダ期日 と 入荷予定日 の間隔には影響しません。
バッファ |
目的 |
日付への影響 |
---|---|---|
遅延を考慮した追加のカレンダー日数です。通常、週末や休日を考慮するために使用されます。 |
見積依頼/購買オーダに指定がない場合、JIT予測ウィンドウ にバッファ日数が追加されます。 |
|
見積依頼が送信されてから、仕入先がそれを確認するために必要な日数。 |
見積依頼/購買オーダに指定がない場合、JIT予測ウィンドウ にバッファ日数が追加されます。 |

Example
すべての購買リードタイムをまとめて考えると、次のようになります:
今日: 4月21日
仕入先リードタイム: 1日
購買安全リードタイム: 4日
購買までの日数: 2日
今日からの日数 = 1 + 4 + 2 = 7
予測日 = 4月28日

JIT 予測ウィンドウの例です。これは 4月21日-28日です。¶
本日、見積依頼が作成された場合、以下のフィールドが表示されます。
オーダ期日: 4月23日 (\(\text{今日} + 2\))
入荷予定日: 4月24日 (\(\text{オーダ締切日} + 1\))

仕入先リードタイム¶
仕入先から倉庫に届くオーダのリードタイムを設定するには、まず
からプロダクトフォームに移動します。次に、希望のプロダクトを選択し、購買 タブに切り替えます。編集可能な仕入先の価格リストで、 明細追加 ボタンをクリックし、 仕入先の名前 、 プロダクト価格 、 納品リードタイム などの仕入先詳細を追加します。
注釈
複数の仕入先およびリードタイムを仕入先の価格表に追加することができます。デフォルトで選択される仕入先とリードタイムは、リストの最上部にある項目です。
ちなみに
入荷予定日 が過ぎると、購買オーダは 遅延 とマークされ、購買 アプリのダッシュボードの 遅延 ボックスに表示されます。
Example
プロダクトフォームの仕入先価格リストで、選択された仕入先の 配送リードタイム が 10日間
に設定されています。

購買安全リードタイム¶
購買安全リードタイム は、遅延を考慮したグローバルなバッファで、すべての 仕入先に適用されます。設定するには、
に移動してください。Under Advanced Scheduling, tick the Security Lead Time for Purchase checkbox.
次に、希望する暦日数を入力します。安全リードタイムを設定することで、仕入先の納品が遅れる可能性を考慮したバッファが設定されます。次に 保存 をクリックします。
購買リードタイム日数¶
設定するには、高度なスケジュール セクションの 購買までの日数 フィールドで、会社から 見積依頼書 RFQ を受け取った後、仕入先が確認するのに必要な日数を指定します。
に進みます。製造リードタイム¶
リードタイムは、部品表(BoM)のある製造プロダクトで使用される消耗品や構成品の調達プロセスを簡素化するのに役立ちます。
製造オーダ MO 期限は、製造プロセスを開始して予定配送日までにプロダクトを完成させる期限で、製造リードタイムと製造セキュリティリードタイムを設定することで決定できます。

製造リードタイム¶
プロダクトの製造リードタイムは、プロダクトの部品表(BoM)から設定されます。
To add a lead time to a BoM, navigate to
, and select the desired BoM to edit.BoM フォームの その他 タブをクリックします。:guilabel:`製造リードタイム`フィールドの値(日数)を変更して、プロダクトの製造に必要な暦日数を指定します。

注釈
If the selected BoM is a multi-level BoM, the manufacturing lead times of the components are added.
If the BoM product is subcontracted, the Manuf. Lead Time can be used to determine the date at which components should be sent to the subcontractor.
Establish a MO deadline, based on the expected delivery date, indicated in the Scheduled Date field of the DO.
製造オーダ MO の締め切りは、製造オーダ MO の 予定日 フィールドに表示される日付であり、これは 配送予定日 から製造リードタイムを差し引いて算出されます。
これにより、配送オーダに間に合うよう、製造工程を時間通りに開始することができます。
しかし、リードタイムは暦日に基づいていることに注意することが重要です。リードタイムは、週末や休日、作業区のキャパシティ (作業区で同時に実行できる作業数)は**考慮していません。
Example
あるプロダクトの DO をコミット日に間に合うように開始する直近の日付は8月1日です。
製造オーダ準備所要日数¶
あるプロダクトを製造するために構成品を集めるのに必要な日数を、そのプロダクトの|BoM|で設定します。そのためには
に行き、必要な BoM を選択します。|BoM|の :guilabel:`その他`タブで、:guilabel:`製造オーダ準備所要日数`フィールドにプロダクトの構成品を入手するのに必要な暦日数を指定します。こうすることで事前に |MO|を作成し、構成品の補充や半製品の製造に十分な時間を確保することができます。
製造安全リードタイム¶
*製造安全リードタイム*は でそのビジネスに対して全体的に設定されます。:guilabel:`計画`の下にある、:guilabel:`安全リードタイム`のチェックボックスにチェックを入れます。
次に、希望する暦日数を入力します。セキュリティリードタイムを設定することにより、製造工程における潜在的な遅延を考慮したバッファが設定されます。次に 保存 をクリックします。

Example
プロダクトの配送日は DO で8月15日に設定されています。製造リードタイムは7日、製造セキュリティリードタイムは3日です。そのため、製造オーダ MO の 予定日 は、製造オーダを開始する最新の予定日を反映しています。この例では、製造オーダ MO の予定日は8月5日です。
全体例¶
タイムリーなオーダを実現するために、全てのリードタイムがどのように連携しているかを理解するために、次の例をご覧下さい:
販売安全リードタイム: 1日
製造安全リードタイム: 2日
製造リードタイム: 3日
購買安全リードタイム: 1日
仕入先リードタイム: 4日
顧客は9月1日に製造済プロダクトをオーダし、倉庫からの配送予定日は9月20日です。Odooはリードタイムと自動再オーダ規則を使用し、9月20日の出荷納期に基づいて必要なオペレーションをスケジュールします:

9月1日:販売オーダが作成され、販売担当者により確認済。
9月9日: 製造開始時に間に合わせるための部品オーダ期限(仕入先リードタイム4日間)。
9月13日 部品入荷予定日。当初は9/14としていましたが、購買安全リードタイムが1日となったため、1日早まりました。
9月14日 製造開始期限。納品予定日9月19日から製造リードタイム3日、製造安全リードタイム2日を差し引いた日数。
9月19日: :guilabel:`配送オーダフォームの:guilabel:`予定日`は更新された配送日を表示します。当初は、9月20日でしたが、販売安全リードタイムにより、予定日が1日早まりました。
Odooの補充計画は、ビジネスのオーダ処理プロセスをマッピングし、潜在的な遅延のためのバッファ日数を含め、事前に決められた納期と原材料の発注日を設定します。これにより、製品が予定通りに納品されることが保証されます。