生産分析

生産分析 レポートは、Odooの 製造 アプリを使用して製造されたプロダクトに関する統計情報を提供します。製造原価、製造期間、製造されたプロダクトに関するその他の重要な統計情報を把握する際に役立ちます。

生産分析レポートを開くには、製造アプリ ‣ レポーティング ‣ 生産分析 に移動します。

重要

生産分析 レポートは、Odooアプリスイートで利用できる数多くのレポートの1つです。このドキュメントでは、生産分析 レポートの集計項目のみを、いくつかのユースケースの例とともに取り上げています。

Odooレポートで利用可能な基本機能の概要については、次のドキュメントを参照して下さい: レポーティングの基本

集計項目

集計項目 は、生産分析`レポートで選択できるデータセットです。各データセットは、データベース内の製造オーダに関する特定の統計を表します。:guilabel:`集計項目 ボタンをクリックして集計項目を選択し、ドロップダウンメニューからオプションを選択します。

集計項目 ドロップダウンメニューに表示されるオプションと、その表示オーダは、検索... バーで有効になっているフィルタ、グループ化、比較によって異なります。デフォルトでは、利用可能な分析対象は以下のように表示されます:

  • 平均従業員原価/単位: プロダクト1単位を生産するために従業員に支払われた平均原価

  • 副産品総原価: プロダクトの製造によって生み出された全ての副産品の価値合計

  • 構成品原価/単位: プロダクト1単位を生産するために必要な構成品の平均原価

  • 原価/単位: プロダクト1単位の生産にかかる平均費用。構成品、従業員、工程、外注費などを含む

  • 工程所要時間/単位: プロダクト1単位を生産するために必要な工程の平均総所要時間

  • 需要数量: 製造オーダに含まれるプロダクトの総数

  • 生産済数量: 実際に生産されたプロダクトの総数

  • 構成品原価合計: プロダクトのすべての製造オーダにわたる、プロダクトの構成品に費やされた総額

  • 総コスト: これまでに製造されたプロダクトの各ユニット単位の製造に費やされた総額

  • 工程時間合計: プロダクトの製造中に完了したすべての工程の累積時間

  • 従業員総コスト: プロダクトを製造するために従業員に支払われた累積額

  • 工程総コスト: プロダクトを生産するために必要な工程に費やされた累積額

  • 工程総コスト/単位: プロダクト1単位を生産するために必要な工程の平均コスト

  • 総外注コスト: プロダクトを製造するために外注先に支払われた累積額

  • 総外注コスト/単位:プロダクト1単位の生産を外注業者に依頼した場合の平均コスト

  • 収率(%): 生産されたプロダクトの総量と需要された総量との比較をパーセンテージで表したもの

  • : プロダクト用に作成された製造オーダの総数

ちなみに

Only one measure can be selected at a time when one of the (graph view) options is enabled. However, multiple measures, and varying group-by criteria (on the x and y axes), can be selected when using the (pivot table).

ユースケース: プロダクトを比較する

生産分析`レポートの最も有効な活用法のひとつは、2つ以上のプロダクトに関する統計を比較することです。 プロダクトを :guilabel:`検索... バーに入力し、必要な分析対象、フィルタ、グループを選択して、目的のデータを表示します。

Example

玩具メーカーの トミー・トイズ は、製造工程のコスト削減に取り組んでいます。 そのために、余剰プロダクトを特定し、製造コストの高いプロダクトの製造を中止することを決定しました。

分析対象として選ばれた玩具のうちの2つは、ポゴスティックムーンシューズ です。トミー・トイズでは、この2つのプロダクトは非常に類似しているため、一方の生産を中止しても、プロダクト・ラインナップに大きな影響はないと考えています。

玩具の工程コストを比較するために、ビジネスアナリストのマイクは 製造 アプリを開き、生産分析 ページに移動します。 検索... バーに両方のプロダクト名を入力します。次に、検索... バーのドロップダウンメニューを開き、グループ化 セクションの プロダクト をクリックします。

マイクは、検索... バーの下にある 集計項目 (棒グラフ) グラフタイプを選択します。

これらのオプションを選択すると、生産分析 レポートには、現在の年次について、プロダクトごとに1つの棒グラフで、プロダクト1単位あたりの平均工程コストを示す棒グラフが表示されます。

このデータにより、マイクはムーンシューズの平均工程コストがポゴスティックのほぼ2倍であることが分かります。これに基づき、トミー・トイズはムーンシューズの生産を中止し、平均製造工程コストを引き下げることにしました。

ポゴスティックとムーンシューズの工程コストを比較した棒グラフ

ユースケース: 期間を比較する

生産分析 レポートは、2つの異なる期間のデータを比較するのにも使用できます。:guilabel:`検索...`バーの:guilabel:`比較`セクションにあるオプションを使用して実行します。

Example

家具製造会社 Fanny's Furnishings は、2024年の第1四半期と第2四半期の生産コストを比較し、各四半期で最も多くコストがかかったプロダクトがどれかを調べたいと考えています。

この2つの期間を比較するために、製造現場管理者のアダムは 製造 アプリを開き、生産分析 ページに移動します。 まず、ページ上部の (円グラフ) グラフタイプオプションを選択します。

重要

比較 機能は、 (円グラフ) グラフタイプ、または:icon:oi-view-pivot (ピボット) ビューと併用することを想定しています。

比較 オプションは、他のビュータイプを有効にした状態でも選択できますが、そうしてもレポート上のデータの表示方法は変わりません。

次に、アダムは 集計項目 ドロップダウンメニューから 総コスト オプションを選択します。 このオプションは、各プロダクトの生産に掛かったコストの総額を表示します。

検索... バーのドロップダウンメニューで、終了日 セクションの 2024 フィルタを有効にしたまま、Q2 フィルタも有効にします。 これらの両方の期間を選択すると、円グラフには2024年第2四半期のデータが表示されます。

最後に、アダムは 検索... バーの 比較 セクションで 終了日: 前周期 オプションを選択します。 そうすると、円グラフが内側の円と外側のリングに分割されます。

外側の円は、選択した期間(2024年第2四半期)のデータを表示しています。内側の円は、前回の期間(2024年第1四半期)のデータを表示しています。

注釈

終了日: 前年 が:guilabel:終了日: 前期 の代わりに選択された場合、内側の円には、1年前のデータが表示されます。

この例の場合、2023年第2四半期のデータが表示されます。

このレポートを使用すると、第2四半期の総コストが最も高いプロダクトが 自転車三輪車 であることがわかります。一方、第1四半期では ローラースケート の総コストが最も高かったことがわかります。

生産分析レポートの円グラフ表示、比較フィルタリングが有効になっています