キット

Odooでは、キット とは製造・販売可能な部品表(BoM)の一種です。キットは顧客に販売される未組立の構成品のセットです。キットは単独のプロダクトとして販売されることもあり、より複雑な部品表(BoM)を管理する上でも便利なツールです。

注釈

キットを使用、製造、販売するには、製造 アプリと 在庫 アプリの両方をインストールする必要があります。

キットをプロダクトとして作成する

キットを販売可能な製品として、あるいは構成品ツールとして使用するには、まずキットをプロダクトとして作成する必要があります。

キットプロダクトを作成するには、在庫アプリ ‣ プロダクト ‣ プロダクト に移動し、新規作成 をクリックします。

次に、新しいキットプロダクトに名前を割当てます。次に、在庫追跡の必要性や会計要件に応じてキットのプロダクトタイプを設定します。これを行うには、一般情報 タブで、プロダクトタイプ商品 に設定し、在庫追跡が必要な場合は 在庫追跡 の隣にあるBoxにチェックを入れます。キットの在庫追跡が不要な場合は、チェックを入れずにそのままにしておきます。

関連項目

詳しくは、追跡対象と追跡対象プロダクトの違い を参照して下さい。

キットの構成品も、在庫アプリ ‣ プロダクト ‣ プロダクト からプロダクトとして設定する必要があります。これらの構成品には、特別な設定は必要ありません。

追跡対象外のキット在庫設定の詳細

キットが他の製造工程で使用される場合や、キット自体の在庫を追跡する必要がない場合は、キットの在庫の追跡を追跡対象外にしておくことを検討して下さい。

  • 大陸会計向けに推奨: 購買時に原価を即時経費計上する場合は、キットの在庫を追跡対象外にしておくことを推奨します。

  • 構成品による補充: 在庫数は構成品レベルで管理されているため、再オーダ規則は個々の構成品に対して設定する必要があります。

  • 販売および在庫の制約: 必要な構成品が在庫切れの場合、キットを販売することはできません。在庫状況は個々の構成品によって異なるため、販売オーダは有効に見えても、構成品が入手できない場合は配送が遅延する可能性があります。

追跡対象キット在庫設定の詳細

キットが有形のプロダクトである、または倉庫や在庫追跡が不可欠である場合は、キットの在庫追跡を有効にすることを検討して下さい。

  • アングロサクソン会計 向けに推奨: 売上原価(COGS)を仕訳帳に記録する必要がある場合は、キットの在庫を追跡することを推奨します。

  • 構成品の購入に関する制約: eコマース カートに追加できるのは、キットの最小限必要な構成品のみです。ただし、販売を継続 オプションが無効になっている場合はこの限りではありません。

  • キットのシリアル番号はありません: シリアル番号の追跡では、キットではなく出荷された構成品のみを追跡します。

  • 再オーダ規則の推奨: 再オーダ規則は、構成品レベルで設定して下さい。

  • 在庫補充の推奨:在庫補充は、構成品レベルでも行って下さい。

キット設定の類似点

どちらの設定が使用されるかに関わらず、2つのオプションにはいくつかの類似点があります。

  • キットレベルでの在庫調整は不可: 在庫調整はキットレベルでは対応できません。

  • キットの価値は変わりません: キットが追跡されているかどうかに関わらず、在庫の価値は同じです。

  • キットの内部転送: キットの内部転送は、キットを構成品に分割します。

キット部品表を設定する

キットプロダクトとその構成品を完全に設定した後、キットプロダクト用の新しい BoM を作成することができます。

これを行うには、製造アプリ ‣ プロダクト ‣ 部品表 に移動し、新規作成 をクリックします。 プロダクト フィールドの隣にあるドロップダウンメニューをクリックしてプロダクトのリストを表示し、以前に設定したキットプロダクトを選択します。

次に 部品表タイプ フィールドで キット オプションをクリックします。最後に、構成品 タブで 明細追加 をクリックし、必要な構成品を追加し、数量 列で数量を指定します。

準備ができたら、保存 をクリックして、新しく作成した 部品表 を保存します。

部品表でのキットの選択

キットが販売可能なプロダクトとしてのみ使用される場合は、構成品 タブで構成品を追加するだけでよく、製造オペレーションの設定は必要ありません。

注釈

キットがプロダクトとして販売される場合、見積書および販売オーダには単一の明細として表示されます。しかし、配送オーダにはキットの各構成品がリストされます。

キットを使用して複雑な部品表を管理する

キットは複雑な BoM にも使用できます。この方法では、ある部品表の中に別の部品表を組み込む(ネスト構造にする)ことで、各調達および生産ステップを個別に定義でき、複雑なプロダクトを整理しながら製造を簡素化できます。

下位レベルの部品表(サブアセンブリや半製品)は、これらのワークフローを効率化し、トレーサビリティの向上に貢献します。

関連項目

多階層の部品表