外注

製造アプリにおいて 外注 とは、企業が第三者の製造業者(外注先)にプロダクトの製造を委託し、そのプロダクトを発注元企業が販売するプロセスを指します。

外注は、発注元企業と外注先の双方にさまざまなメリットをもたらします。

発注元企業にとって、外注を活用することで、自社で製造設備や人員に投資・維持管理することなく、さまざまな種類の製品を販売することが可能になります。

これにより、発注元企業は景気の変動に柔軟に対応できるようになります。状況に応じて、外注先との取引量を容易に増減できるためです。また、自社の得意分野に専念し、専門性の高い作業を外注先に委ねることも可能になります。

一方、外注先にとっては、外注契約を通じて、よりニッチな分野の製造に特化することが可能になります。こうした分野は、外注契約の枠組みを離れると収益性が低くなる場合もあります。また、契約形態によっては、受注する案件を選択したり、同時に取り組むプロジェクトの数を調整したりする柔軟性も得られます。

Odooでは、企業が構成品の調達方法や製造後の完成品がどうなるかなど、さまざまな要因に基づいて外注のワークフローを設定することができます。

設定

Odooで外注を有効にするには、:menuselection:`製造アプリ --> 設定 --> 管理設定`に移動し、:guilabel:`工程`の見出しの下にある:guilabel:`外注`設定の横にあるチェックボックスにチェックを入れます。次に、:guilabel:`保存`をクリックします。

製造アプリの外注管理設定

外注を有効化すると、Odooでさまざまな別の機能が利用可能になります:

  • 部品表(BoM)の 部品表タイプ フィールドに 外注 オプションが追加されました。外注 の部品表タイプを有効にすると、部品表のプロダクトが外注プロダクトとして指定され、OdooはそれがOdooデータベースを所有する会社ではなく、外注業者によって生産されたものであることを認識します。

  • 在庫 アプリに2つの外注ルートが追加され、プロダクトページの 在庫 タブで特定の製品に割当てることができます。

    • 受注時外注先補充

    • 受注時外注先直送

外注ワークフロー

Odooには3つの外注ワークフローがあり、それらの主な違いは、外注業者が必要な構成品を どのように 入手するかという点です。

  • 基本的 な外注ワークフローでは、外注業者が構成品の入手に全面的に責任を負います。このワークフローは、基本的な外注 ドキュメントに概説されています。

  • オーダ時外注先補充 ワークフローでは、発注元企業が自社の倉庫から構成品を下請け会社に送ります。このワークフローは、外注先在庫補充 のドキュメントに概説されています。

  • 受注時外注先直送 ワークフローでは、発注元企業が仕入先から構成品を購買し、外注先に直接配送します。このワークフローは、:doc:`subcontracting/subcontracting_dropship`ドキュメントに概説されています。

外注先が構成品をどのように入手するかということに加えて、プロダクトが外注される理由、および外注先によって製造されたプロダクトがその後どうなるかについても考慮する必要があります。

プロダクトが外注される理由としては、顧客からの受注を満たすため、または手持在庫数量を補充する、という2つの主な理由があります。

プロダクトが製造された後の処理としては、発注元企業に出荷するか、エンドカスタマーに直送するかのいずれかです。

上記で説明した3つの外注フローは、それぞれの運用パターンに対応できるように設定することが可能であり、その設定方法は各ワークフローのドキュメントに記載されています。

外注プロダクト評価

外注されたプロダクトの評価は、いくつかの異なる変数に依存します:

  • 発注元会社が提供する場合は、必要な構成品の原価。以下、 C と表記します。

  • 外注プロダクトの製造サービスに対して外注業者に支払われた価格。以下、M と表記します。

  • 下請け業者に構成品を発送し、発注元企業にそれらを発送してもらうためのコスト。以下、 S とします。

  • 直送の場合のコスト、すなわち、構成品が下請け業者から最終顧客に発送される場合のコスト。以下、これを D と表記します。

  • 輸入税などのその他の関連コスト。以下、x と表記します。

したがって、外注プロダクト (P) の総評価額は、以下の式で表すことができます。

\[P = C + M + S + D + x\]

外注プロダクト評価の全てにこれらの変数が含まれるわけではないということに注意しましょう。例えば、プロダクトが最終顧客に直送されないのであれば、直送のコストを考慮する必要はありません。